間道、更紗、梅鉢、小桜、波兎・・・
とりどりの裂が楽しい、棗袋の袋帯です。
大人の遊び心とは何だろう、ということを、最近考えています。
以前は、お茶席に仕覆の柄を締めることをお客様にご提案するのは、亭主の心に添うだろうか、と思っていました。
ですが、お客様のお茶への向き合い方や楽しみ方を伺っているうちに、その気持ちが変化してきました。
「茶歴が長くなると、仕覆の仕立てを習い始めたり、自分で裂を集めてみたりしたくなって、手作りでお仕覆を仕立てて、お披露目をしたんですよ」
「立場も少しずつ上がってきて、若い方に頼まれることがあって、今度講習をするんです」
などと、それぞれのお楽しみの在り方をお聞きしております。
場に相応しい装いをすることで、装いで心を表す、という着物の美学は素晴らしいと思います。
ですが、その心を、少しだけ緩めてあげてみたら、どんな景色に巡り合えるでしょうか。
もしかしたら、一周回って、棗袋の帯を締めることが、「大人の遊び」を豊かに味わえる時間になるのではないでしょうか。
まだ私には先ですが、人生の先を歩まれている皆様がこの帯を締められた時、本当の遊びという境地に辿り着けるのではないかと思います。
西陣織の名門、「紫紘」。
源氏物語絵巻を西陣織で表現するという途方も無い仕事をライフワークとされ、素晴らしい帯の数々を残された故・山口伊太郎氏が創設した言わずと知れた名門の織匠。
西陣織の芸術性、創造性を極限まで高めた人物として、西陣ではその名を知らぬ人はおりません。
紫紘さんの帯のファンの方もたくさんいらっしゃる事でしょう。
伊太郎氏が突き詰めた表現を、確実に、着実に受け継ぎながら、日々現代の意匠を取り入れ新しい創作を続ける紫紘さんの帯。
「あぁ、ええ仕事っていうんはこういう事なんや。」と腑に落ちる、引き算の図案と選び抜かれた糸の配色。
それを身に纏う喜びを是非感じて頂きたいと思います。
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【 ご着用シーン 】
お出かけ、茶席、お食事等に。
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【伝統色のパーソナルカラー、秋、秋好中宮】
オータム・ソフトオータムさんに最も映える帯です。
袋帯 | 紫紘 棗袋
- 素材 正絹
- 幅 8寸2分仕上がり基準
- 季節 袷
- TPO 礼装に