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ピアノの原型であるクラヴィコードという楽器は、
十四世紀の欧州で生まれたといわれています。

この楽器の背景には、見えないものに心を寄せ、祈る心と共にあろうとした人々の歴史があるのではないか、と思うのです。

指先ではじかれた弦の微細な震え。

そのごく小さな音に身体を寄せると、無数の音の存在に気づき、耳がひらかれてゆきます。街の騒音、車のエンジン、小鳥の囀り、鼓動、血の流れまでもが、意味を超えた自然の響きとして、細胞を通り抜けていく。

Moj [mohj]はペルシア語で、波。音の波に身を委ね、自己の内外と「対話」する時間を創出することが、このプロジェクトのテーマです。

クラヴィコードとピアノという2つの楽器が奏でる響きは、偏りある私たちを、平らかにしてくれる音の小舟となり、時代を行き来する風となり、そして、波そのものとなるでしょう。その感覚のただ中にいるうち、思考、記憶、その先へと、時間も空間も越境してしまうような、旅へ。

 

Uchida Akira「Moj」

2CD / Sleeve Case Edition
May 13, 2023 Release

Clavichord, Piano & Saxophone: Uchida Akira
Recording (Piano): Azuma Takeshi
Photography: Sudo Kazuya (discovery go)
Design: Suzuki Takahisa (16 Design Institute)
Writing: Shinoda Shiori
Translation: Kidokoro Sayako (TRUNK)

 

内田 輝 Uchida Akira

 

音楽大学卒業後、サックス奏者として活動。2008年、ピアノ調律を吉田哲氏に師事。音の研究と共に国内外のジャズピアニストの調律を担当する。2015年、鍵盤楽器製作を安達正浩氏に師事。14世紀に考案されたクラヴィコード (鍵盤楽器) の製作を始める。
2021年、音羽山清水寺のプロジェクト「FEEL KIYOMIZUDERA」の一環として役目を終えた本堂舞台板からクラヴィコードを製作し奉納。本堂を舞台に奉納演奏を行う。
自ら楽器を作り、音を調律し、音楽家であること、この流れを大事にして音を響かせたいと思っている。全国で『音のワークショップ』を開催している。

 

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クリエイティブプロダクション discovery goのレーベル、kiku labelよりリリースされた、音楽家「 内田 輝 」さんの2枚組CDです。

 

はじめて内田さんの音楽をお聞きしたのは、「紫紘の世界」の映像の為の作曲をしていただいた時でした。

完全に独特で、クラシックとも他のどんな音楽とも違う、内田さんの魂の源から生まれいずるような音色に驚いたのを覚えています。

まだお目にかかる前だったので、音の作り方がピアノ出身の音楽家さんよりも木管楽器的なアプローチだなと感じていたのですが、ディスカバリー号さんとお話ししていて、「サックス奏者でもあるので、作曲はサックスでされることもあるそうです」とお聞きして納得したことがあります。

嬉しいことに、このCDでは内田さん自身による多重録音でピアノ演奏とサックスの音色を同時に楽しむことができます。

 

halo

sign

lumiere・・・

誌的な情緒を感じるトラックリスト-CD1のラストソングは、silk road。

波のように寄せては返す半音と複雑な和音のコードに、時に寄り添い時にたゆたう一舟の小舟のように、サックスの音色が調和します。

 

そして、内田さんの真骨頂は「クラヴィコード」の製作と演奏です。

清水寺の舞台板から削りだされたクラヴィコードの音。

幸運にも一度は日本で初めての薬草園が拓かれた宇陀で、そして二度目は清水寺の舞台で演奏を聴かせていただく機会に恵まれました。

クラヴィコードの音は閑かで、演奏を聴く、というより瞑想の世界で響く音を拾う感覚です。

 

内田さんは「昔、ある文献から、修道士がこの楽器を作る時に“わざと音を小さくするための細工”をしていた図面を見つけました。僕、そこが、一番、クラヴィコードの作られた意味があるところだと思っていて。クラヴィコードは、実は、音を出す楽器という側面よりも、精神的なものにフォーカスを当てて作られたのだという考え方で見ていくと面白い。」(Moj Special Siteより引用)と語っています。

 

代表の須藤和也さんの美しい写真と共に、精神の旅へと誘ってくれる2枚組CDです。

 

一年前内田さんは、salon & gallery 虹霓の為に店内で流す音楽を作曲してくださいました。

Harmoniaと名付けられた楽曲は、宇宙の音を数値化して余韻の長さに構築するというアプローチで制作してくださったものです。

私は色を診ているので、色は波長であり、宇宙からたくさんの色が届き、人々の魂と混じり合って交響曲を奏でている、と感じることがあります。

サロンの環境に合わせて最後のリミックスをしてくださったのも嬉しかった。

ぜひ内田さんの音の世界へ、ご一緒いたしましょう。

CD | 『Moj』

¥4,500価格
  • 送料税込550円

    一万円以上お求めの場合送料無料

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