惜しまれつつその歴史を閉じた西陣の名門織匠、「北尾織物匠」、本袋帯の作品です。
「北尾さんの」と言えば、誰しもに「ええもん屋はんや」と名の通っておられた通り、品格と普遍性のある物創りで知られた老舗です。
もう織れない、と言われて初めて、私たちは存在の有難さに気付くのです。
受け継いでいきたい帯というのは、こういう意匠ではないでしょうか。
奇をてらわず、お目出度く、年齢を重ねて次世代の人に譲る時、「私この帯よう締めたわ」と、ありありとこの帯を締めた時のことが蘇る・・・。
人生を共に歩む帯として、初めてお嬢様に本仕立ての着物をお仕立てになる時、是非この帯をお供にお迎え頂きたいと思います。
歳寒三友と、永遠に繰り返す波から永久の繁栄を寿ぐこの青海の図案を。
皆様は、本袋帯をお手にされたことがおありになりますか?
本袋帯は輪になるように予め織り上げる帯のことです。
流通しているほとんどの帯は裏地を別に織り縫い合わせた縫い袋帯で、裏地を同機屋内で織っていないことさえあります。
表地と裏地の経糸の本数が違い、組織も違う為に、締めている時に裏と表が撚れてしまい、着姿が決まりません。
本袋は同組織、同経で織りあげます。
締める時に裏地との添いが良く、軽やかで非常に締め心地が良いのが特徴です。
是非一度お召しになって頂き、違いを感じて頂きたいと存じます。
このお柄は、十三詣や振袖などに良く映ります。
入学卒業式の振袖に合わせたり、謝恩会でお召しになられたりするのもいいですね。
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【 ご着用シーン 】
十三詣、成人式、お茶会に。
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【伝統色のパーソナルカラー、春、玉葛】
透明感のある地色がお似合いになる、スプリングさんにお勧めです。
よくお尋ね頂くのですが、「この帯は何歳まで締められますか?」問題には、その方がお持ちの雰囲気によりますので何とも言えませんが、18歳から35歳頃まででしょうか、と一応お答え致します。
袋帯 | 北尾織物匠 松竹梅長生文
- 素材 正絹
- 幅 8寸2分仕上がり基準
- 季節 袷
- TPO 七五三、十三詣、成人式