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狩野永徳画、「弥陀三尊来迎図」を拝見した時に感動したのは、弥陀三尊のご尊顔に加え、背景の五色の来迎の雲の美しさでした。

たなびく雲の流れが滑らかで、うっとりするような彩雲は、今でも目に残っています。

 

その雲の印象を染帯にしたいと構想していた時に老舗の白生地屋さんで出会ったのが「雲紋」の紋意匠生地でございました。

通常は同じ柄を重ねるのはくどいように感じますが、着物でも無双をするように、柄で無双にしてみよう、と思い立った実験は、中々うまく乗ったように思います。

 

地組織の細かな雲紋に、胡粉ぼかしで白を挿し、京繍で薄金、銀、白、白に銀をラメのように絡めた糸で刺繍しております。

彩色を廃したのは、瑞雲とも来迎の雲ともとれるよう、慶弔両用使いでお召し頂けるようにしたためです。

 

以前お稽古しておりました日舞やお琴の舞台で、「追善公演」に出演させて頂いた時、下合わせ(リハーサル)は普通の小紋に染帯で伺うのですが、その着物を選ぶ時、手元に慶事通常用の持ち合わせしかなく、「お追善の舞台であるのに、その下合わせから喪の気持ちを表す装いであった方が良いのでは?」と思ったことがございます。

 

伝統芸能のお稽古をなさっておられる方や、ご贔屓の役者さん、アーティストの方がいらっしゃる方は、特にこのような時の装いに頭を悩ませることがあるのではないでしょうか。

 

出演者としても装いに頭を悩ませますのに、招かれた側、観劇にいらっしゃるお客様側の装いはもっと気を遣われることと存じます。

そのような時にこの帯がありましたら、着物を地味な色にしていただいて、帯締めを白一色や銀、鼠色、藍など寒色系にして頂くだけで服喪の装いとなります。

 

最近は家族葬も増え、後日ホテルで偲ぶ会が開かれることもございます。

そのような時にホテルに真っ黒では入りにくいですし、故人を偲びつつ、ご参列の方からも浮かない品で、且つ弔いの場だけ用でないものがありますと、「これが箪笥にあって良かった」と感じて頂けることと思います。

 

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【 ご着用シーン 】


お稽古、お出かけ、お追善に。

 

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【伝統色のパーソナルカラー、夏、花散里】

 

サマーさんがお似合いになるのは、青味で彩度が低めの紫です。

こちらはサマーさんらしく、刺繍も薄金と銀、白のみで仕上げました。

染帯 | 雲紋意匠 紅桔梗色 瑞雲

¥257,000価格
: 古代紫
    • 素材  正絹
    • 季節  袷
    • TPO お稽古、お出かけ、お追善に
    • お仕立て納期  ご注文受付から約1カ月~一カ月半(ご着用日が決まっている方はご相談ください)

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